2018年7月20日
突然、ディズニーがジェームズ・ガン監督の解雇を発表。
これは、反トランプ派のガン監督が過去に投稿した不適切なツイートを、親トランプ派のメディアが発掘し取り上げたことで発覚した。問題発覚から、わずか半日での出来事だった。
マーベル・スタジオ社長のケビン・ファイギですら聞いていなかったそう。
2018年7月21日
解雇報道後、いち早く反応したのは、ドラックス役のデイヴ・バウティスタ。ガンを支持する投稿をツイート。バウティスタは、ガンが書いた脚本を使わなければ、契約解除を要求するとまで発言。
2018年7月22日
その後も、ヨンドゥ役のマイケル・ルーカーや、ガン監督の実弟であり、ロケットとクラグリンを演じるショーン・ガンらが支持するコメントを発表。
ファンによって、ジェームズ・ガンの再雇用を求める署名運動も始まった。署名の数は凄まじい勢いで伸び続け、最終的にはおよそ43万人に達した。
また、作品とは関係のないハリウッドの業界人たちからも、支持するコメントが寄せられた。
2018年7月30日
出演者9名の連名で意見書を公開。この文書にサインしたのは、クリス・プラット、ゾーイ・サルダナ、デイヴ・バウティスタ、ブラッドリー・クーパー、ヴィン・ディーゼル、カレン・ギラン、ポム・クレメンティーフ、ショーン・ガン、マイケル・ルーカー。
2018年9月29日
ロケットの声を担当するブラッドリー・クーパーが後任として挙がったが、「自分が執筆していない作品は撮れない。」とキッパリ否定。
2018年10月9日
マーベルのライバルにあたる、DCコミックス/ワーナー・ブラザースは、『スーサイド・スクワッド』続編の脚本家としてガンを起用したことを発表。
また、同作の監督就任を前提として企画に参加しているとも報じられた。
2018年12月20日
『マネー・ショート 華麗なる大逆転』のアダム・マッケイが、マーベル・スタジオから『Vol.3』への参加を打診されていたことを明かした。
新監督に就任する可能性は、肯定も否定もされなかった。
2019年1月29日
ファンのツイートで後任候補として挙がった、『ベイビー・ドライバー』のエドガー・ライト、『スパイダーマン:スパイダーバース』製作総指揮のフィル・ロード&クリス・ミラー、そして『マイティ・ソー バトルロイヤル』のタイカ・ワイティティが、この投稿に反応。
全員がジェームズ・ガンの復帰を支持する内容のツイートを投稿した。
2019年1月30日
ガンが、DC新作映画『ザ・スーサイド・スクワッド』の監督として交渉中であることが分かった。
後に分かったことだが、ディズニー会長のアラン・ホルン氏から再雇用の電話を受けたのは、『ザ・スーサイド・スクワッド』の監督を引き受けた翌日のことだったらしい。
2019年2月4日
イベントに登場したタイカ・ワイティティは、自身が『Vol.3』を監督する可能性をきっぱりと否定。この件についてマーベルと面会していないことも明らかにした。
2019年2月8日
主演のクリス・プラットが、ガン監督の脚本が使用されることを認めた。
2019年3月15日(再雇用!)
ジェームズ・ガンが再雇用されたことが発表された。
アラン・ホルン会長は、ガン監督の謝罪による説得、およびその後の状況を鑑みた上で復帰を決定した。復帰報道と同時に、ガン監督も久々のツイートを投稿。
復帰を知った数多くの出演者や関係者・知人から祝福の言葉が贈られた。
これにより、ガン監督は『ザ・スーサイド・スクワッド』で監督・脚本を務める方向で動いており、ライバル関係であるマーベルとDCの両作ともを手がけることになった。
『Vol.3』の製作再開は、『ザ・スーサイド・スクワッド』の完成後になる。ガン監督の才能、そして皮肉にも、ディズニーによる“先走った”解雇劇が生んだまさしく奇跡のよう。
2019年5月15日
ガンは騒動について、
「一番悲しかったのは、ロケットと僕の奇妙な関係、切り離せない関係が失われたことでした」
「ロケットは僕自身。たとえナルシスティックに聞こえるとしても、ロケットはまさに僕そのもの。彼には自分との繋がりを感じますし、共感を覚えます。しかし同時に、ロケットの物語はまだ終わっていない。第1作で始まり、第2作へ続いたロケットの物語を、『インフィニティ・ウォー』『エンドゲーム』を経て、第3作で完結させると決めていた。」
当初『Vol.3』は、『エンドゲーム』後のMCUを先導する作品として、2020年の米国公開が予定されていたが、この騒動により、2021年11月よりジョージア州で撮影が開始される。
2020年11月8日
ジェームズ・ガンが、本格的に撮影が開始したことをTwitterにて報告。
2022年10月25日
DC映画の新リーダーとして、ジェームズ・ガン、DC映画のプロデューサーを務めてきたピーター・サフランが共に就任した。2名体制でこれからのDCを率いる。
両名は、この度DCフィルムズに代わって新設される「DCスタジオ」共同会長兼CEOとして、今後の映画、TVドラマ、アニメ作品を管轄する。この就任は、ガンが将来的にマーベル作品を手がける可能性がなくなったことも意味する。
ガンはかねてより『Vol.3』がチームの最終作になることを示唆していた。これをもって事実上のマーベル映画卒業となる。
ロケットをシリーズの“ウラ主人公”と呼ぶガン監督は、その理由がロケットのキャラクター性にあると力を込める。
「彼はガーディアンズ全員の特徴を体現していると思う。全員にトラウマがありますが、それを1つにしたよう。彼のトラウマは誰よりも重い。」
「ロケットはただの動物でいたかった。しかし彼は、自分がなりたくもなかったものに変貌させられてしまった。それによって、彼は全員からの疎外感を味わった。『Vol.3』では、ロケットの過去をしっかり描く。彼がどこからやって来たのか、どんな人物なのか、何を経験したのか。それは小さな動物にはつらい道のりだった。」
ガンは「ロケットの物語を描くことが、本作に戻った理由の1つ」とさえ言っている。「僕以上に、ロケットの物語を描ける人はいないと思っていたから」と。