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映画についての素人の戯言

【恐怖の原点】暗闇の中にだけ現れる”それ”の正体とは『ライト/オフ』

作品情報

『ライト/オフ』(原題:Lights Out)

公開 2016年
上映時間 81分
製作 ジェームズ・ワンエリック・ハイセラー
監督 デヴィット・F・サンドバーグ
脚本 エリック・ハイセラー
出演 テリーサ・パーマー、ガブリエル・ベイトマンビリー・バーク
製作会社 アトミック・モンスター
評価 第28回パームスプリングス国際映画祭(2017)で、バラエティ誌が選ぶ”注目すべき監督10人(10 Directors to Watch)として表彰された。

あらすじ

レベッカはある日、離れて暮らす幼い弟から「電気を消すと、何かが来る」という信じがたい話を聞かされる。
実は、レベッカが数年前に家を出たのも"それ"が原因の一つだった。

”それ”は一体何なのか?なぜ彼女たちを襲うのか?
一家に隠された恐ろしい秘密が明らかになる時、史上最恐の一夜が幕を開ける—

感想

ネット上に公開し話題となった3分の短編が、ジェームズ・ワンの目に止まったことで長編映画化が実現。
そこからDCの大作『シャザム』を撮るまでになった凄さたるや。

シンプルで短いですが、しっかりと怖くて面白かったです。
暗くなると”何か”が現れるという設定上、自ずと画面に釘付けになるというのが非常に巧妙だなと感じました。

登場人物の関係性も複雑ながら最後にはまとまっていき、マヌケな行動もなくて観やすかったです。

雑記

原作となった短編

デヴィッド・F・サンドバーグは、妻のロッタ・ロステンとともに、コンペティション用の短編映画を製作。
この短編がブラッディ・カット・ホラー・チャレンジという映画祭に出品されると、ファイナリストに選出され、サンドバーグ最優秀監督賞を受賞した。

数ヵ月後には、VimeoとYouTube8,000回ほどだった再生回数が100万回を超え、ハリウッドのプロデューサーや監督の目に留まるようになった。
サンドバーグは、複数のエージェントから連絡を受けるようになり、彼らの連絡先を整理するための表を作らなければならなくなるほどだった。

サンドバーグとロステンはハリウッドに到着しても、信用不足のためアパートを借りられず、「Airbnb」で空き部屋を月単位で借りなければならなかった。

脚本家はあの傑作も担当

本作の脚本を務めたのはエリック・ハイセラー

彼は、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督のSF映画『メッセージ』の脚本も書いており、この作品は批評家から絶賛され、アカデミー脚色賞にもノミネートされた。

原作はSF小説の中でも傑作として根強い人気があり、またかなり難解な内容だったため、映画化には様々な意見が寄せられた。
しかし、それらの不安をよそに脚本は称賛された。

日本のアニメ映画『君の名は。』のハリウッド実写版の脚本家にも抜擢された。

幽霊を演じた女優

作中に出てくる”何か”を演じたのは、女優でありダンサーでもあるエヴァ・カントレル
ダンサーでもある彼女の手や肩の動かし方は、まさに野獣のような生き物そのものでした。

彼女は2007~14年にかけて、バレエ、タップ、コンテンポラリー、ミュージカルシアターと様々なスタイルで活動しており、大会で受賞歴もある。
自身のYouTubeチャンネルでは、そのダンスパフォーマンスを紹介している。