作品情報
『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』(原題:Life of Pi)
公開 | 2012年 |
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上映時間 | 127分 |
原作 | ヤン・マーテル『パイの物語』 |
監督 | アン・リー |
脚本 | デヴィッド・マギー |
出演 | スラージ・シャルマ、イルファーン・カーン、タッブー、アディル・フセイン、レイフ・スポール、ジェラール・ドパルデュー他 |
音楽 | マイケル・ダナ |
評価 | 第85回アカデミー賞で11部門にノミネート、監督賞、作曲賞、撮影賞、視覚効果賞の最多4部門を受賞。 |
あらすじ
小説家ヤン・マーテルが、インド人の青年パイ・パテルが幼少時代に経験した、不思議な体験を聴くところから始まる。
パイが16歳の時、家族と動物が乗っていた貨物船が難破し、パイ以外の乗員・乗客は全員沈んでしまう。
気が付くと、救命ボートに乗っていたのはパイ、オランウータン、ハイエナ、シマウマ、ベンガルトラだった。
生き残るために何が必要なのか。彼らは想像を絶する壮大な漂流の旅に出る—
感想
そもそもサバイバル系が好きだということもあり、加えてCG映像もかなり綺麗であっという間でした。
中でも、終盤の急展開には驚きました。
とは言っても、置いてけぼりにならない程度の内容で、興味深かったです。
サバイバルで緊張感は大事。
雑記
漂流経験者を採用
本作では、「航海コンサルタント」としてスティーブン・キャラハンが起用された。彼は、1982年に自身の乗ったヨットが沈没し、ゴムボートで大西洋を76日間漂流したのち生還した経験がある。
わずかな食料が尽きてからは、主に槍で捕まえたカワハギやシイラを食べ、その他にもトビウオやフジツボ、鳥を捕まえて食べていた。
水に関しても、2つの太陽熱蒸留装置や即席の雨水収集装置を使って、毎日平均約500mlの水を生成していた。
彼の知識と、冷静で論理的な行動には驚かされます。
監督を巡って紆余曲折
監督がアン・リーに決まるまでに、多数の監督が候補に挙がっていた。
2003年2月、20世紀フォックスがヤン・マーテルの小説『パイの物語』の映画化権を購入。
2003年10月、M・ナイト・シャマランを監督にすることを発表した。シャマランは、主人公が自分と同じポンディシェリ出身であることに魅かれた。シャマランは『ヴィレッジ』の製作を終えた後に本作に取り掛かるつもりであり、脚本も兼任する予定だった。
しかし、最終的にシャマランは、『ヴィレッジ』の後に『レディ・イン・ザ・ウォーター』を監督する道を選択した。
2005年3月、新監督としてアルフォンソ・キュアロンとの協議が始まったが、結局は『トゥモロー・ワールド』の監督をすることとなった。
2005年10月、20世紀フォックスは新監督にジャン=ピエール・ジュネを雇った。
ジュネは、『アメリ』などで仕事をしたことがあるギョーム・ローランと共に脚本を執筆し、2006年中頃にインドで撮影を始める予定だったが、最終的にプロジェクトから外れた。
2009年2月、アン・リーが監督に選ばれた。
脚本には新たにデヴィッド・マギーが雇われ、リーは数ヶ月にわたって主人公パイ役の俳優を探した。2010年10月、3000人が参加したオーディションの結果、17歳の学生で新人俳優のスラージ・シャルマが選ばれた。
ちなみに、本作の脚本を務めたマギーは、2023年に公開された実写版『リトル・マーメイド』の脚本も担当した。
実はあの俳優も出演していた
実は、パイから話を聞く小説家ヤン・マーテル役でトビー・マグワイアが参加していた。
しかし、監督のリーは「国際色豊かなキャストにしたい」「端役にマグワイアがいると気が散る」という理由から、マグワイアの出演箇所をカットした。
その後、マグワイア代わりイギリス人のレイフ・スポールが起用され、再撮影が行われた。