作品情報
『トラップ 凍える死体』(原題:Ófærð)
公開 | 2015年 |
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シーズン数 | 3 |
エピソード数 | 50分×10話 |
出演 |
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音楽 | ヨハン・ヨハンソン、ヒドゥル・グドナドッティル |
配給 | Netflix |
評価 | 海外レビューサイトRotten Tomatoesでは、批評家支持率100%を記録。 |
あらすじ
厳しい寒さが続くアイスランドの辺ぴな港町シグルフィヨルズルで、身元不明の惨殺死体が見つかる。
猛吹雪により町が孤立する中、地元の警察官3人が捜査に乗り出すが—
人物相関図
感想
ヨハン・ヨハンソンが音楽担当してるという情報だけで観始めましたが、しっかり面白かったです。
私が知る限り、彼が音楽を担当した作品に今のところハズレ無し。
北欧の凍えた景色と、陰湿なミステリーは定期的に観たくなるような、何か惹きつけられるものがあります。
本作は、犯罪率が低いことで知られるアイスランドの、さらに北端の田舎町が舞台となっています。
8話程で終わらせてほしいとも思いましたが、10話あることで、警官が3人しかいないもどかしさや、外界から断絶された孤立感や閉塞感がより伝わってきた気がします。
馴染みのない俳優ばかりなので、名前と顔を一致させるのがかなり難しかったです。
勝手な想像ですが、警官の1人であるアウスゲイルは何か闇を抱えていそうで、後々何かやらかしそうだと感じました。
見どころ
アイスランドならではの生活
物語の冒頭、主人公のアンドリは離婚した妻の実家に娘2人と住んでいることが分かります。その頃妻はというと、首都レイキャビクに住んでいて久々に実家に帰って来るような言い回しでした。
日本人の感覚からすると、かなり不思議な印象を受けました。アイスランドでは、割とあることなのでしょうか?
もちろん、かなりの田舎だからという理由もあると思います。ちなみに、一応アンドリの新居は決まっていて、改装途中とのこと。
重なり合う人間関係
アイスランド北端の、外界から隔絶された田舎町が舞台なので、ほぼ全員が知り合い同士で、仕事上の繋がりもあります。
住人それぞれが密接に関係しているせいで、事態が悪化します。
中でも特に印象的だったのが、下半身が不自由で車いす生活をしている老人ロギヴァルドゥル。この男、気軽に出歩けないので、望遠鏡で住人の生活を覗き見ているというキャラクター。ヒッチコックの『裏窓』に出てくる主人公を思わせます。
中盤以降、彼の言動によって物語が進展していきます。
雑記
最強の布陣の音楽
本作の音楽を作曲したのは、アイスランドの作曲家ヨハン・ヨハンソンとヒドゥル・グドナドッティル。
テーマ曲とシーズン1の音楽を担当したヨハンソンは、『博士と彼女のセオリー』の音楽を作曲し、アイスランド出身者として初めてゴールデングローブ賞を受賞した。
また、シーズン1~2の音楽を担当したグドナドッティルも『ジョーカー』でゴールデングローブ作曲賞を受賞し、同賞史上初となる女性単独受賞となった。同じく『ジョーカー』でアカデミー作曲賞も受賞した。
また、同年放送のTVドラマ『チェルノブイリ』では、グラミー賞、英国アカデミー賞、エミー賞を受賞した。
実は、グドナドッティルはヨハンソンに師事しており、『プリズナーズ』や『メッセージ』『ボーダーライン』などヨハンソンが音楽を担当した作品にチェリストとして参加していた背景もある。本作『トラップ 凍える死体』は、そんな最強の子弟コラボが実現した作品となっている。