作品情報
『ビッグ・リトル・ファーム』(原題:The Biggest Little Farm)
公開 | 2018年 |
---|---|
上映時間 | 91分 |
監督、脚本 | ジョン・チェスター |
出演 | ジョン・チェスター、モリー・チェスター、アラン・ヨーク、トッド他 |
音楽 | ジェフ・ビール |
配給 | NEON |
評価 | 第30回パームスプリングス国際映画祭でドキュメンタリー観客賞を受賞。 第45回サンダンス映画祭で観客賞準グランプリを獲得。 第43回トロント国際映画祭で観客賞で3位入賞。 |
あらすじ
ロサンゼルスに住むジョンとモリーは、殺処分寸前で保護した愛犬トッドの鳴き声が原因で、アパートを追い出されてしまう。
そこで、料理家であるモリーの夢だった、本当に体に良い食べ物を育てるため、郊外へ移り住むことを決心する。しかし、そこに広がっていたのは200エーカー(東京ドーム約17個分)を超える荒れ果てた農地だった。
彼らは、大自然の厳しさに翻弄されながらも、その声に耳を傾け、命のサイクルを学び、愛しい動物や植物たちと未来への希望に満ちた究極に美しい農場を創りあげていく。
これは、自然を愛する夫婦の8年間の奮闘を描いた感動の軌跡—
感想
一度は作ってみたい、人工的な自然。
自然のサイクルに入り込む農業。
野生動物を追う番組のカメラマンであるジョンと、伝統的で健康な料理を目指す料理家モリー。
元々、そういうものに憧れていて、知識もあったんだと思います。
さすが本業がカメラマンなだけあって、ナショジオ的な映像が満載。
豚のエマの生命力には驚かされました。
押し付けがましくないのも良かったです。
雑記
本業は野生動物のカメラマン
本作で農業を始めたジョンは、映画制作者、TV番組の監督・カメラマンとして25年の経歴を持つ。アニマル・プラネットやITVの野生生物番組の制作者として世界中を旅したことがきっかけで、複雑な生態系の相互作用に興味を持つようになった。
そして2010年、妻と共に「アプリコット・レーン・ファーム」という自然循環型の農場を始めた。本作にも出演している豚のエマや牛のマギーたちを撮影し、制作した短編『Saving Emma』『Worry For Maggie』『The Orphan』などでエミー賞の監督賞、脚本賞、撮影賞など5つの賞を受賞。
ジョンいわく、
「本作が農業の1つのやり方を推奨したり、これが唯一の道だと押し付けたりするものだと受け取られるのは不本意です。むしろ、自然は私たちに多くの答えを教えてくれるということを信じてもらえるきっかけになれば、と心から願っています。」
「奮闘すること5年が経った頃、ある変化が起こりました。様々な野生生物や昆虫が帰ってきて、悩みの種だった害虫を減らすのを助けてくれたのです。私たちが始めたことを受けて、農場は複雑な免疫システムを自ら再構築していたのです。」
「映画を製作しようと決めた日のことは今でも覚えています。果樹園を歩いていて、数日前までアブラムシに覆われていた木の横を通りました。しかし、その木にアブラムシはいませんでした。代わりに、何百匹ものテントウムシ、つまりアブラムシの天敵が集まっていました。私たちは意図せず、農場をテントウムシにとって暮らしやすい環境に整えていたのです。それから他の場所でも次々に同様のことが起こったので、この物語を映画化できると思いました。」
続編となる短編も
本作をベースにナショナル・ジオグラフィックが制作した続編が、Disney+で配信されています。
映画版からさらに2年が経ち、その間の出来事を30分にまとめています。
作中で体調を崩していた豚のエマの、その後も描かれています。