作品情報
『マインドハンター』(原題:Mindhunter)
公開 | 2017年 |
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シーズン数 | 2 |
エピソード数 | 50分×10話 |
原作 | ジョン・E・ダグラス、マーク・オルシェイカー 『Mindhunter: Inside the FBI's Elite Serial Crime Unit』 |
製作総指揮 | デヴィッド・フィンチャー、シャーリーズ・セロン他 |
出演 | ジョナサン・グロフ、ホルト・マッキャラニー、アナ・トーヴ、ハンナ・グロス、コッター・スミス、ステイシー・ロカ他 |
製作、配給 | Netflix |
評価 | 第70回プライムタイムエミー賞でドラマシリーズゲスト男優賞(キャメロン・ブリットン)にノミネート。 第22回サテライト賞TVドラマ部門で、ジャンル/ドラマシリーズの主演男優賞(ジョナサン・グロフ)を受賞。 |
あらすじ
1970年代後半、殺人犯の心理を知り犯罪科学の幅を広げるため、”行動科学”という新たな分野を研究する2人のFBI捜査官。
出張講義をするためアメリカを飛び回る傍ら、各地の凶悪な囚人と面会する。
しかし研究を進めるうち、あまりにリアルな怪物に近づいてゆく—
感想
<S1>
毎エピソード行われる殺人鬼との面談は、かなりヒリヒリした緊迫感で引き込まれます。
中盤以降、ホールデンが自信満々に取り調べをするようになるので、それが成功するか失敗するかも見どころです。
基本的に静かに進んでいきますが、確実に成果が出る感じが好みでした。
毎話ちょっとだけ登場する、殺人鬼になるであろう男がかなり不気味。
一番好きなシーンは、資金援助を受けられることになった後のエレベーターです。
70年代の機械や車、音楽の雰囲気も良かったです。
<S2>
シーズンの半分は、1979~81年に起きたアトランタ殺人事件のみを追います。
シーズン1で得たプロファイリングデータを使おうとするも、上手く行かず…
主人公の相棒ビルが、色んな問題で忙しすぎてずっと応援してしまいます。
なんて終わり方だぁ!
見どころ
囚人との会話は実際のもの
刑務所で行われる殺人鬼とのインタビューシーンは、実際の会話内容に基づいています。なかには、一字一句そのまま使われているシーンもあるようです。
これが功を奏したのか、実在した殺人鬼をモデルにした人物との面談シーンの緊迫感は凄いです。かなりヒリヒリした雰囲気が感じられます。
雑記
原作は元FBI捜査官による著書
本作の原作となったのは、元FBI捜査官ジョン・E・ダグラスと作家マーク・オルシェイカーによって書かれた、1995年のノンフィクション犯罪本。
本書には、ダグラスが数十年にわたる殺人犯との面談で培った、連続殺人犯や大量殺人犯に関する「犯罪者性格プロファイル」について詳しく書かれている。
また、エドマンド・ケンパー、デヴィッド・カーペンター、ウェイン・ウィリアムズ、ロバート・ハンセン、ラリー・ジーン・ベルなど連続殺人犯のプロファイリングが掲載されており、これが犯人捜査の最初の手がかりになることを提案している。
彼の画期的な犯罪プロファイリングは、『羊たちの沈黙』で知られる小説家トマス・ハリスにも影響与え、映画化された際にはアドバイザーとして制作に関わった。
発起人はあの有名女優
2009年、シャーリーズ・セロンが原作となったノンフィクション本をデヴィッド・フィンチャーに贈ったことから、本作の製作は始まった。
パイロット版の脚本には、スコット・バックが起用された。
映画の監督/プロデューサーとして知られるフィンチャーは、ドラマ『ハウス・オブ・カード』で製作を務めるまで、テレビは「完全に異質なもの」だと感じていた。
フィンチャーが、ようやくテレビというメディアに馴染んできた頃、セロンはバックの代わりに、劇作家で脚本家のジョー・ペンホールを本作の脚本家として提案した。
主要キャストのモデルは実在の人物
本作に登場する主要キャラ3人は、それぞれ実在した人物をモデルにしている。
主人公のホールデン・フォードは、原作者であるジョン・E・ダグラスを、ビル・テンチは、”行動科学”の先駆者である元FBI捜査官ロバート・K・レスラーを、ウェンディ・カーは、精神法医学の研究者であり、FBI行動科学課と協力し凶悪犯の研究のための助成金を調達したアン・バージェス博士をモデルにしている。
登場する連続殺人犯は、実際に有罪判決を受けた犯罪者をモデルにしている。
シーズン1を通して、各エピソード冒頭に短時間だけ登場する男は、”BTKキラー”として知られるデニス・レイダーであることが示唆されている。
フィクションのようで、ほぼ実話
原作の著者ジョン・E・ダグラスは元FBIの特別捜査官で、ドラマ中でも登場する”行動科学課”のチーフも務めた。
1972年、当時増加傾向にあった性的暴行や殺人事件に対応するため、FBIは行動科学課(BSU)を設立。
1974年、行動科学課のロバート・K・レスラーが初めて「シリアルキラー」という単語を使用。
1976年、行動科学課のダグラス、レスラー、バージェスは、連続犯に関するプロファイリングデータの作成に取りかかった。
ダグラスとレスラーはデータを集めるため、全米の刑務所を訪問し連続殺人犯と面談し、犯行の動機、計画や準備、犯行の詳細、証拠の処分方法などを聞き取りした。
1979年、合計で36人の囚人と面談した後、彼らの性格や行動原理を分析し、連続殺人犯のプロファイリングデータベースを完成させた。これらのデータは、プロファイリング技術の確立に大きく貢献した。
その後、FBIのプロファイラーが現場での利用を開始し、捜査中の事件の手助けになっている。
これ以前は、犯罪プロファイリングが捜査に使われたことはなく、未解決事件の最終手段として使われることが多かった。
続編の可能性
2019年11月、フィンチャーが『Mank』の制作を終えるまで、シーズン3の製作が無期限保留に。
2020年1月、Netflixは、フィンチャーが多忙であるため、出演者の契約は解除され、シリーズは無期限保留になったと発表。
2023年2月、フィンチャーはシリーズが正式に終了したことを発表。
打ち切りの理由として、コスト面(フィンチャーいわく「非常に熱狂的な視聴者もいたが、製作費を正当化できる程の数字は得られなかった」)、制作に対する意見の食い違いなどが挙げられた。