映画好きのドグマ

映画についての素人の戯言

【失敗を糧に】掛かって来たのは殺された被害者からの電話『ブラック・フォン』

作品情報

『ブラック・フォン』(原題:The Black Phone)

公開 2022年
上映時間 103分
監督 スコット・デリクソン
脚本 スコット・デリクソン、C・ロバート・カーギル
原作 ジョー・ヒル『黒電話』
出演 イーサン・ホーク、メイソン・テムズ、マデリーン・マックグロウ他
製作会社 ブラムハウス・プロダクションズ
評価 第47回サターン賞で5部門にノミネートされ、最優秀ホラー作品賞を受賞。

あらすじ

コロラド州のとある町では、子どもの失踪事件が相次いでいた。ある日、内気な少年フィニーは、黒い風船を持つマジシャンだという男に誘拐され、防音の地下室に閉じ込められる。すると突如、断線した黒電話が鳴り響く。恐る恐る受話器を取ると、そこから聞こえるのは過去の被害者の声だった。

一方、フィニーの妹グウェンは、兄の失踪に関する不思議な予知夢を見たことから、その夢の記憶を頼りに兄の行方を探し始める—

感想

『IT』を連想せざるを得ない、80年代ジュヴナイル・ホラー。
妹グウェンが着ていた黄色のレインコートはまさにそうですねw

気弱な兄と、気が強くて兄想いの妹の対比が特徴的でした。
割と静かに進んでいきますが、しっかりとエンタメ性もあり、飽きることなく観終えることが出来ました。

死んだ子供たちと電話する時の描写の仕方がイカしてました。
ジョーカーのような、ウィリー・ウォンカのような、個性的な犯人のキャラクターも良かったです。

雑記

監督の壮絶な過去

ホラー作品を中心に制作してきたスコット・デリクソンの幼少期は、なかなか凄まじい環境で育ったそう。”シリアル・キラー”という言葉を生んだテッド・バンディの脱獄隣人が殺される事件、マンソン・ファミリーの1人と電話越しに話したことなど、”暴力”が社会の波に介在していた。幼少期から連想する第一の感情は”恐怖”なのだそう。

前作に続いて続投する予定だった『ドクター・ストレンジ/MoM』の監督も、「幼少期のトラウマに対処するため」というメンタルヘルスの問題を理由に、降板したことも記憶に新しい。その後、本作の制作を開始した。

素性を隠して活動

本作の原作は、ジョー・ヒルの短編小説『The Black Phone』。1997年ヒルは、自分の力で成功を勝ち取るため、世界的な小説家スティーヴン・キングの息子だということを隠してキャリアを始めた。幾つかの成功を収め、暴露記事が出された2007年、自身の素性を認めた。

脚本を担当したコミック『ロック&キー』は、2020年にNetflixでドラマ化され、全3シーズン配信された。

斬新なゴーサイン

製作総指揮のジェイソン・ブラムは本作の脚本を読んだ後、製作を快諾する合図として、デリクソンに黒電話を送った。デリクソンは2021年に新居に引っ越したが、ブラムは密かに新居の地下室の壁に黒電話を取り付けていた。しかも、黒電話を持ち上げると、ブラムの携帯にかかるように設定していたそうw