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映画についての素人の戯言

【敵か味方か】突如地球上に現れた宇宙人の目的は?『メッセージ』

作品情報

『メッセージ』(原題:Arrival)

公開 2016年
上映時間 116分
監督 ドゥニ・ヴィルヌーヴ
原作 テッド・チャンあなたの人生の物語
出演 エイミー・アダムスジェレミー・レナーフォレスト・ウィテカー
音楽 ヨハン・ヨハンソン
評価 第89回アカデミー賞で作品賞や監督賞など8部門にノミネートされ、音響編集賞を受賞。

あらすじ

突如地球に降り立った、巨大な宇宙船。謎の知的生命体と意志の疎通を図るため軍に雇われた言語学者のルイーズは、“彼ら”が人類に何を伝えようとしているのかを探っていく。

その謎を知ったルイーズを待ち受ける、”彼ら”が地球にやってきた驚くべき真相と、美しくも切ない人類へのメッセージとは—

感想

「言語」というテーマから、様々な分野に展開していって面白かったです。
どことなく『インターステラー』っぽさを感じました。音楽のせいでしょうか?

エイリアンが書く円形の文字が独特でカッコいい。
エイミー・アダムスの鼻のトンガリが凄くて、さすが欧米人って感じでした。
アボットコステロは実在のお笑いコンビ。

小さい頃から思っていましたが、最初に言語を翻訳した人凄すぎませんか。
というより、どうやったらそんなことが出来るのか想像もつきません。

「ある概念は言葉がないと認識すらできない」という話を聞いたことがあります。
モンゴル語には、馬の毛色の分類が400~500種類あるらしいです。しかし、日本人にはそれらの色の違いは認識できません。面白い!

雑記

耳、心に残る作曲家

本作の音楽を担当したのはアイスランドの作曲家ヨハン・ヨハンソン。監督のヴィルヌーヴとタッグを組むのは『プリズナーズ』『ボーダーライン』に続いて3回目。

主に映画音楽に携わっており、2014年公開の『博士と彼女のセオリー』では、第72回ゴールデングローブ賞作曲賞を受賞した。

とても耳に残る音楽で個人的に好きでしたが、残念なことに、急性薬物中毒によって2018年に亡くなりました。

サピア=ウォーフの仮説

本作に登場する考え方「サピア=ウォーフの仮説」は、言語的相対論とも呼ばれ、”言語”がその話者の世界観や思考の形成に影響を与えることを提唱する仮説のこと。この仮説は、あくまでも母語のことを指していて、本作のように後天的に学んだ言語には当てはまりません。

有名な例として、英語で”雪”は4~5種類の単語と表現があるのに対し、エスキモー語には30以上の表現や言葉があるとされる。

この例は、先住民の言語にはヨーロッパ言語よりも細かい意味の区別があること、雪や水といった基本的な概念であっても、2つの言語間で直訳することは必ずしも不可能であることを示すという2つの役割を担っている。