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作曲家で映画を観る③:タイラー・ベイツ

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基本情報

名前 タイラー・ベイツ/Tyler Bates
誕生日 1965年6月5日(58歳)
出身地 アメリカ合衆国
サターン賞 『300 〈スリーハンドレッド〉』(第34回、ノミネート)

幼少期は、イリノイ州シェルビー群の牧場にある、幽霊が出るログハウスに住んでいた。
この地で経験した2度の悪魔祓いと、墓穴を掘るという奇妙な仕事は、人格形成期にあった彼のイマジネーションを大いに育んだ。

墓穴を掘る仕事をしたのは、シカゴマフィアのジェリー・スカリーズの家の近くに住んでいた高校生の頃。ベイツいわく「彼はただの叔母の隣人で、3フィート半の穴を掘るのに時給7ドルとビールをくれた」そう。

トレーダーとして働いていたこともある。

経歴

2013年、ドラマ『カリフォルニケーション』の撮影現場でロックミュージシャンのマリリン・マンソンと出会い、2014~18年まで彼のロックバンド「マリリン・マンソン」のギタリストとしても活動した。

2015年には、マンソンのアルバム『The Pale Emperor』の作曲と共同プロデュースを務めた。このアルバムは大成功を収め、ビルボードトップ200で8位にランクインし、ローリング・ストーン誌が”2015年ナンバーワンのメタル・アルバム”と称賛するなど、幅広い批評家から高い評価を得た。
その後も同バンドのリード・ギタリストとして、ザ・ヘル・ノット・ハレルヤ・ツアーや、アメリカのヘヴィメタルバンド「スリップノット」とのツアー、世界各地のフェスティバルなど、1年以上にわたって同アルバムを記念したツアーに同行した。

2017年、再びマンソンと共同でアルバム『Heaven Upside Down』を制作した。

他にも、「アリス・イン・チェインズ」のギタリスト兼ボーカリストであるジェリー・カントレルとも度々コラボしている。
2016年には、カントレルと共同で『ジョン・ウィック:チャプター2』のエンディング曲『A Job To Do』を作曲。その後も、カントレルのソロコンサートにギタリストとして参加したり、アルバム『Brighten』などで再びコラボした。

2017年、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』のメインテーマ『ガーディアンズ・インフェルノ』を作曲。

2017年、アカデミー受賞者シャーリーズ・セロン主演のヒット作『アトミック・ブロンド』の音楽を担当した他、2つの重要なシークエンスのために、「ヘルス」によるカバー曲『ブルー・マンデー』をプロデュースし、また「ミニストリー」の『Stigmata』をマンソンと共にカバーした。

他にも、お気に入りのNFLチーム「テネシー・タイタンズ」のテーマ曲なども作曲している。

特徴

数多くの映画音楽を手がけており、アクションやホラー作品に多く携わっている。

主に、映画監督のザック・スナイダージェームズ・ガンデヴィッド・リーチロブ・ゾンビタイ・ウェストらとのタッグで知られる。

個人的に好きな楽曲

『300 〈スリーハンドレッド〉』(2006)

『ウォッチメン』(2009)

『スーパー!』(2010)

本作は低予算でB級映画のような側面がありますが、ユーモア満載でかつ音楽が良いのでお気に入りの作品です。
雰囲気は『キック・アス』に似ていますが、本作はそこまでコメディでもなく、グロさや暗さもあります。

『星の旅人たち』(2010)

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)

本作の音楽に関しては、Billboard 200チャートで1位を獲得した『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:オーサム・ミックス Vol.1』が最も有名だと思います。このアルバムには、書き下ろし曲が1つも収録されておらず、既存の曲のみで構成されたアルバムが同チャートで1位となるのは史上初でした。

ですが、タイラー・ベイツが作曲したBGMも良いので紹介したいと思います。

『ジョン・ウィック:チャプター2』(2017)

ジェリー・カントレルとの共同作。

『アトミック・ブロンド』(2017)

本作では、数ある冷戦期のスパイ映画に新鮮さを出すため、1980年代のヒット曲やそのカバー曲が収録された。

マリリン・マンソンとコラボしたカバー曲。

これはタイラー・ベイツの曲ではなく、映画冒頭に流れるデヴィッド・ボウイの曲ですが、この曲で一気に引き込まれます。

『パニッシャー』(2017–19)

『X エックス』(2022)

最後に

やや過激でグロテスクなホラー映画や、スタイリッシュなアクション映画に多く携わっているのが印象的です。

彼が携わる映画は、コアな映画ファンにも人気を得ているようです。