作品情報
『SHERLOCK/シャーロック』(原題:SHERLOCK)
公開 | 2010年 |
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シーズン数 | 4 |
エピソード数 | 90分×3話 |
原作 | アーサー・コナン・ドイル『シャーロック・ホームズ』 |
製作、脚本 | マーク・ゲイティス、スティーヴン・モファット他 |
出演 | ベネディクト・カンバーバッチ、マーティン・フリーマン、マーク・ゲイティス、ルパート・グレイヴス、アンドリュー・スコット、ユーナ・スタッブス、ルイーズ・ブリーリー、ララ・パルヴァー他 |
制作 | BBC |
評価 | 2011年英国アカデミーテレビ賞で最多となる4部門にノミネートされ、最優秀ドラマシリーズ賞、助演男優賞(マーティン・フリーマン)を受賞。 2012年には、モリアーティ役のアンドリュー・スコットが助演男優賞を受賞した。 |
あらすじ
舞台は21世紀。
陸軍医としてアフガン戦争に従軍したジョン・ワトソンは、トラウマを抱えロンドンで苦しい生活を送っていた。そんな中、古い知り合いから、ルームメイトを探している男を紹介される。
一緒に住むことになった男シャーロック・ホームズは、偏屈なソシオパスでありながら、きわめて頭脳明晰な自称”コンサルタント探偵”だった。
彼はスマートフォンやSNSといった現代の技術を駆使しながら、天才的なひらめきと推理力で、ジョンと共に数々の事件を解決していく—
感想
<S1>
個人的に好きなガイ・リッチー版同様、シャーロックに振り回されるワトソンとの
”バディもの”としても面白かったです。
主演の2人はそれぞれ、MARVEL作品のドクター・ストレンジ、『ブラックパンサー』のエヴェレット・ロスを演じています。
MARVELを追いかけている身からすると、知ってる俳優があちこちに出演しているので、より楽しめます。
EP2には、『エターナルズ』のジェンマ・チャンも出てました。
<S2>
余裕でシーズン1を超えてきました。
特にEP1『ベルグレービアの醜聞』がかなり良かったです。
ベタな気もしますが、それがまた良いです。
EP3『ライヘンバッハ・ヒーロー』では、モリアーティとの直接対決。
モリアーティがつく嘘が巧妙すぎて、観ててもどかしくなるレベルでしたw。
シーズン3の前日譚に当たるミニエピソードがあります。
Sherlock Mini-Episode: Many Happy Returns - Sherlock Series 3 Prequel - BBC One - YouTube
<S3>
EP1は、シャーロック復活記念!って感じ。
モリーの新しい彼氏の見た目がほぼシャーロックというw
EP2は、ワトソンとメアリーの結婚式。
被害者女性から話を聞くシーンでは、本作を象徴するような遊び心が。
メアリーが”できる女”なので、観ていてストレスがない点も良かったです。
EP3では、“北欧の至宝”マッツの兄ラース・ミケルセンが登場!
この兄弟の色気はハンパないですね。
ラストシーンは、少し笑える上にワクワクする内容で気持ち良く終われます。
今シーズンは、それぞれの人間関係が中心で、事件自体の面白さはさほど無かったのが唯一残念でした。
<忌まわしき花嫁>
本作は、シーズン3.5に当たる90分の特別編。
現代版シャーロックが19世紀へ。
劇場公開されたので、完全な番外編かと思ってましたが、がっつりS3の続きで、S4にもちゃんと繋がってました。
何も知らずに劇場で観た人が可哀想に思えました。
終盤に、舞台が19世紀だった意味が分かりますが、簡単に予想がつくのが残念でした。
<S4>
EP1まではこれまで通りの雰囲気でしたが、結果的には史上最も暗いシーズンでした。
EP2では、主役2人がボロボロで人間臭すぎて、あまり好みではありませんでした。
シャーロックのトリップ描写は面白かったです。
EP3は、全エピソードの中で一番面白くなかったです。
あれだけの悪役なので、とても1話で解決するような内容には思えませんでした。
監房のガラスのシーンには驚きました。
また、楽しみにしていたモリアーティの登場でしたが、悪い意味で裏切られました。
あんなモリアーティは見たくなかった…
全シーズン通して、アイリーンにもっと登場してほしかったです。
見どころ
原作との違いを楽しむ
原作では、2人は「ホームズ」「ワトソン」と呼び合います。それは、当時のイギリスでは、男性がファーストネームで呼び合う習慣がなかったから。
そのため、現代版である本作では「シャーロック」「ジョン」と呼び合うことで、現代っぽさを感じる演出になっている。
また、スマホやSNSを駆使しながらの謎解きは、まさに現代版シャーロック・ホームズならでは。
スピーディーでポップな演出
何といっても、シャーロックを演じたベネディクト・カンバーバッチの嫌味で早口な演技は必見です。
また本作の特徴として、シャーロックの視線に映る証拠品や、他人を観察した際に感じた違和感などが、CGの文字で表示される演出があります。
これによって、シャーロックが捉えた手がかりや情報が、私たち視聴者にも視覚的に伝わるので、推理の過程がかなり分かりやすいです。
その他、登場人物が送受信するメールの文面や、パスワード入力の場面でも同様です。
1話90分のボリュームですが、このようなスピーディーでポップな編集のおかげで、あっという間に終わり、悲惨な事件が起こっても、割とサクッと観れます。
ワトソンの変化
シーズン初期は、推理力はそれほどなくシャーロックに振り回されることばかりでしたが、シーズンを重ねるにつれて、かなり”変化”します。
頭の回転は速くなり、危険な場面に遭遇しても動じなくなります。
シャーロックだけでなく、ワトソンもまた常人離れしていく過程が面白いです。
雑記
徹底的な役作り
主人公シャーロックを演じたベネディクト・カンバーバッチは、原作を全て読破して撮影に挑んだ。また、彼は原作者コナン・ドイルの遠戚に当たるらしい。
以前にも、『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』で演じた数学者アラン・チューリングの遠戚である可能性や、リチャード3世との血縁が報じられた。
現実との共通点
シャーロックの両親を演じたのは、ベネディクト・カンバーバッチの実際の両親である、ティモシー・カールトンとワンダ・ベンサム。
また、ワトソンを演じたマーティン・フリーマンと、その恋人メアリーを演じたアマンダ・アビントンは、現実でもパートナーで2人の子供をもうけている。
しかし、S4の放送前に別れを公表し、アマンダは多忙によるマーティンの長期不在を原因の1つに挙げた。
ドラマオリジナルのキャラ
聖バーソロミュー病院に勤める法医学者モリー・フーパーは、原作には一切登場しない。シャーロックの社会的スキルの欠如や、ロマンチックな展開への対処を描写するための一度限りのキャラクターとして意図されていた。
しかし、製作陣がルイーズ・ブリーリーの演技を気に入り、彼女の登場シーンを増やすことに決まった。
記憶の宮殿(マインド・パレス)
シャーロックは時折、「マインド・パレス」という記憶術を使う。これは、古代ローマから存在する記憶を補助する方法。
ドラマ『ハンニバル』でも、”北欧の至宝”マッツ・ミケルセン演じるハンニバルがこの記憶法を使っている。
⇩の記事で詳しく説明しています。この作品もかなりオススメです。
シーズン間でも共演
シーズン1と2の間には、ベネディクト・カンバーバッチとマーティン・フリーマンは、ファンタジー大作『ホビット』シリーズでも共演した。