フラナガン監督の過去作
鑑賞後の感想など
ポー作品のオマージュと思われる登場人物
本作は、大まかなプロットこそポーの小説『アッシャー家の崩壊』を基にしていますが、実際はかなり多くの作品から設定を持ってきていて、現代風に上手くアレンジしてミックスしていそうです。
他作品で描かれる設定や出来事がそのまま起こるのか、ただ単に名前だけ取ってきたのかは不明です。
以下、オマージュとなった作品と作中で起きた出来事について。
ヴェルナ
正体は、物語詩『大鴉』に登場するカラス?名前の"Verna"は、"Raven"のアナグラム?
このカラス、小説では「Nevermore」とだけ人間の言葉を話すが、ドラマのティザー映像でもヴェルナ役の女性と「Nevermore」の文字が映されていた。
また予告編では、若者が集まるパーティー会場のスプリンクラーから硫酸のようなもの?が撒かれており、彼女が犯人かのような描写も。
ロデリック・アッシャー
短編『アッシャー家の崩壊』で双子の妹マデラインが原因不明の死病に冒され、苦しみながら死を待つしかない身になったことで精神的におかしくなる。
2人の間には近親相姦のようなニュアンスが?テレパシーも?
マデライン・アッシャー
短編『アッシャー家の崩壊』で死んでいると間違われ、生きたまま地中に埋められる。
フレデリック・アッシャー
短編小説『メッツェンガーシュタイン』の主人公フレデリック・メッツェンガーシュタイン。
ナポレオン・アッシャー
コメディ小説『眼鏡』の主人公ナポレオン・ボナパルト・フロワサール。
視力が悪いが、眼鏡はダサいと言ってかけない。
タマレーン・アッシャー
ティムール朝を建国したモンゴルの支配者ティムールについて書いた、フィクション形式の詩『タマレーン』。
ヴィクトリーヌ・ラフルカード
短編小説『早すぎた埋葬』を基にした1961年のTVドラマの中で、女優パトリシア・メディナが演じた、夫を生きたまま埋めて殺す悪役と同名。
カミーユ・レスパネイ
推理小説『モルグ街の殺人』の登場人物。
小説の中で起こる事件の被害者である母娘のうち娘。
モレラ・アッシャー
短編小説『モレラ』の主人公。
娘を産むと同時に死んだモレラは、娘に生まれ変わる。
レノーア・アッシャー
物語詩『大鴉』の主人公の亡き恋人。
彼女の死後、主人公のもとに「Nevermore」とだけ話す大鴉がやって来る。
プロスペロー・アッシャー
短編小説『赤死病の仮面』の登場する利己的な国王プロスペロー。
架空の疫病「赤死病」に苦しむ国民を放置し、自信は城内に籠ってパーティーを楽しむ。
その後、人の形をした赤死病そのものが城内に現れ、城内の人々は死に至る。
アーサー・ピム
ポー唯一の長編小説『ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語』の主人公。作中では、ピムら3人が生き残るために、リチャード・パーカーを殺して食べる場面がある。
C・オーギュスト・デュパン
推理小説『モルグ街の殺人』の登場人物。
世界で初めて「名探偵」というジャンルを確立し、シャーロック・ホームズの原型になったとも言われている。
ルーファス・グリスフォルド
実在した編集者で、ポーとは確執があったといわれている。
ポーが不可解な死を遂げた後、ポーに同情しない旨の死亡記事を書いた。
また、ポーの評判を落とす運動を始め、自身が死ぬ8年後まで続いた。
ウィリアム・ウィルソン
ドッペルゲンガーを扱った短編小説『ウィリアム・ウィルソン』の主人公。
このドッペルゲンガーは、ウィリアムの悪の部分が具現化された存在だという見方がされている。
アナベル・リー
ポーの生前最後の詩『アナベル・リー』の登場人物。
エライザ
ポーの母、エリザベス・ポーがモデル?
Mr.ロングフェロー
実在した詩人ヘンリー・ワズワース・ロングフェロー。
ポーは歯に衣着せぬ批評家としてもよく知られていて、1830~40年代はロングフェローを中心としたニューイングランド出身の作家たちによる、身内びいきの書評・批評に業を煮やしていた。
また、ロングフェローが盗作をしていると非難し論争にまで発展したが、ポーの分が悪いままに終わった。
ジュリアス
連載小説『ジュリアス・ロッドマンの日記』の主人公。
フィクションによる冒険の記録となっている。
トビ―
短編小説『悪魔に首を賭けるな』の登場人物。作中ではトビー・ダミット。
非道徳な人物として描かれており、彼の死は首が切れて頭が取れるというもの。
フラナガン監督作品の常連
※メインで出演した作品のみ
ヘンリー・トーマス
- 『ウィジャ ビギニング』 - トム神父
- 『ジェラルドのゲーム』 - トム
- 『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス』 - ヒュー・クレイン
- 『ドクター・スリープ』 - バーテンダー/ジャック・トランス
- 『ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー』 - ヘンリー・ウィングレイブ
- 『真夜中のミサ』 - エド・フリン
ケイト・シーゲル(監督の妻)
- 『サイレンス』 - マディー
- 『ジェラルドのゲーム』 - サリー
- 『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス』 - テオドラ・クレイン
- 『ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー』 - ヴァイオラ
- 『真夜中のミサ』 - エリン・グリーン
カーラ・グギーノ
サマンサ・スローヤン
アナベス・ギッシュ
ラフル・コーリ
ザック・ギルフォード
- 『真夜中のミサ』 - ライリー・フリン
- 『ミッドナイト・クラブ』 - マーク
タニア・ミラー
- 『ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー』 - ハンナ・グロース
ケイティ・パーカー
マイケル・トルッコ
- 『サイレンス』 - ジョン
- 『真夜中のミサ』 - ウェイド