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【名作が分かる】世界三大映画祭とは?

世界三大映画祭とは?

「世界三大映画祭」とは、国際映画製作者連盟(FIAPF)という公の機関が認めた44*1映画祭のうち、有名な3つの映画祭のことです。

また、カナダのトロント国際映画祭アメリカのサンダンス映画祭を併せて、「五大映画祭」と呼ぶこともあります。

最も有名なアカデミー賞は、そもそも映画祭ではありません。毎年2月末~3月初めに開催される授賞式で、賞金の授与や映画の売買は行われません
とは言っても、世界三大映画祭より長い歴史があるので、マーケットへの影響力は国際映画祭以上に大きく、受賞結果が各国の興行成績に多大な影響を与えます。

1年間での開催時期順に紹介したいと思います。

ベルリン国際映画祭

開催地 ドイツ,ベルリン
開催時期 2月
初回 1951年
最高賞 金熊賞

特徴

冷戦下の西ドイツで始まったこともあり、社会派の作品が集まることが多い。
また、近年は新人監督の発掘にも力を注いでいる。

ベルリン国際映画祭の作品は、かなりマニアックなものが多く、初めて聞くような監督の作品も少なくない。

映画祭と同時に開催される人材育成プログラム「ベルリナーレ・タレンツ」では、若手制作者向けに、1週間にわたって講義やワークショップが開かれる。
また、映画の売買を行うヨーロピアン・フィルム・マーケット(EFM)も開催される。 

大映画祭では唯一、大都市で開催されており(ベルリンは人口360万、ヴェネツイアは26万、カンヌは7万)、来場者数の多さに繋がっている。

おすすめの金熊賞受賞作品

カンヌ国際映画祭

開催地 フランス,カンヌ
開催時期 5月
初回 1946年
最高賞 パルム・ドール

特徴

当時、ファシストの政治介入が強まっていたヴェネツィア国際映画祭に対抗するために始まった。
国際見本市などの「商業性」と、ある視点部門などの「独自性」を併せ持つ。

併設されている映画の見本市は、世界三大マーケットのひとつ。
例年800社、数千人のプロデューサー、バイヤー、俳優などが揃い、世界各国から集まる配給会社へ新作映画を売り込むプロモーションの場となっている。

「世界三大映画祭」と「世界三大マーケット」が同時に開催されるのはカンヌだけであるため、世界中から多大な注目が集まり、全世界から数多くの俳優、映画製作者が出席する。

開催期間中は、各映画館では映画が上映され、見本市では各製作会社によるプレゼンやパーティーが行われる。これから公開される映画はもちろん、脚本すらできていない企画段階の映画までも売りに出される。
ここでどれだけ先にヒット作を予想し買い取るのかが、バイヤーの腕の見せ所。

おすすめのパルム・ドール受賞作品

ヴェネツィア国際映画祭

開催地 イタリア,ヴェネツィア
開催時期 8月末~9月初旬
初回 1932年
最高賞 金獅子賞

特徴

世界最古の歴史をもつ映画祭。
ヴェネツィアビエンナーレという美術展から派生した歴史を持つこともあり、芸術性の高い作品が選出されることが多い。

長らくマーケット部門は持たず、商業よりも芸術の映画祭として続いてきたが、2002年にマーケットが設けられるなど、商業映画の比重も高まっている。

おすすめの金獅子賞受賞作品

  • 羅生門』(1950)

  • HANA-BI』(1997)
  • 『ジョーカー』(2019)

*1:2023年5月1日時点