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【50年の時を経て正統な続編】今度は2人の少女に悪魔が…『エクソシスト 信じる者』

作品情報

エクソシスト 信じる者』(原題:The Exorcist: Believer)

公開 2023年
上映時間 111分
原作 ウィリアム・ピーター・ブラッティエクソシスト
監督 デヴィッド・ゴードン・グリーン
脚本 デヴィッド・ゴードン・グリーン、ピーター・サットラー
出演 レスリー・オドム・Jr、リディア・ジュエット、オリヴィア・オニール、ジェニファー・ネトルズ、ノーバート・レオ・バッツ、アン・ダウド、エレン・バースティン
製作会社 ブラムハウス・プロダクションズ
評価 製作費3,000万ドルで、世界興行収入1億3,600万ドルを突破。

あらすじ

12年前のハイチ地震で妊娠中の妻を亡くして以来、ヴィクターは一人娘のアンジェラを育ててきた。

ある日、アンジェラと友人のキャサリンが森の中で姿を消し、3日後に保護される。しかし、2人は何が起こったのか全く覚えておらず、様子もどこかおかしい。2人の少女とその家族はかつてない恐怖と対峙することになる—

感想

やっぱり、アクションやホラーは映画館で観ると迫力が段違いです。
何といっても、子役の演技が凄い!

ユニバーサルのファンファーレの時点で、最悪な不快音から始まるのが既に好みでした。
サブリミナル的に悪魔の映像が挟まれるのも良かったです。

総じて、ストーリーというよりは音楽や演出が良かったです。内容は、意外と教訓めいたもの。
エクソシスト』で有名な『Tubular Bells』が流れるシーンは、特にテンション上がりました。

本家『エクソシスト』にも出てたクリス・マクニールが、噛ませ犬みたいな扱われ方で少し残念でした。

雑記

エクソシスト』生みの親の辛辣な発言

オリジナルの『エクソシスト』の監督を務めたウィリアム・フリードキンの逝去に際し、作家で映画評論家のエド・ホイットフィールドTwitter(X)とフェイスブックに彼との会話を投稿した。

「なあエド、『ハロウィン』のリブート3部作を撮った男が、俺の映画の続編を製作しようとしているんだ。そう、私の代表作が『スモーキング・ハイ』を撮った男によって延長されようとしているんだ。私は、そのような事態が起こる時にそばにいたくない。でも、もし霊界があって戻って来られるなら、デヴィッド・ゴードン・グリーンに憑依して、彼の人生を生き地獄にしてやるつもりだ。

実際フリードキンは、本作が公開される2カ月前に亡くなった。彼が本作を観ることは叶わなかったが、もし観ていたらどう評価したのだろう。そして、『エクソシスト』さながら、本当にデヴィッドに憑りつきに来るのだろうか···。

このように、フリードキンが本作の製作を良く思っていなかったことは有名だが、本作以前の続編のほとんどにも否定的だった。彼はTVシリーズエクソシスト』を含め、オリジナルで脚本を務めた友人ウィリアム・ピーター・ブラッティが監督・脚本を務めた『エクソシスト3』さえも観たことがないそう。

1作目のキャストが再出演

1973年の『エクソシスト』でクリス・マクニール役を演じたエレン・バースティンは当初、本作への再出演を断っていたがの後2倍のギャラを提示され、「悪魔が私の値段を尋ねているように感じる」と思い、最終的にオファーを受け入れた。

さらに、ギャラの全てをアメリカの俳優養成所アクターズ・スタジオ授業をしているペース大学の「俳優のためのMFA(芸術学修士奨学金」に充てた。彼女は、アクターズ・スタジオ終身会員であり、共同学長も務めている。

撮影開始直前のインタビューでは、「奨学金に寄付するお金のためだけに復帰の申し出を受け入れた」と述べた。

ハイチ地震との繋がり

本作の冒頭、2010年に起きたハイチ地震によって主人公ヴィクターの妻が亡くなる。その時、奇跡的に産まれたのがアンジェラ。

また、悪魔に憑りつかれたもう1人の少女キャサリンの母親役をジェニファー・ネトルズが演じている。彼女はグラミー賞を受賞したことのある歌手で、上述のハイチ地震のためのチャリティー・ソング『We Are The World 25 Years for Haiti』に参加している。

製作やキャスティング側に、ハイチ地震に何かしら思い入れのある人がいたのでしょうか。

受け継がれる少女の演技

1973年の『エクソシスト』でリーガン・マクニールを演じたリンダ・ブレアは、本作で悪魔に憑りつかれた少女を演じる2人の演技アドバイザーを務めた。